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短期集中連載第2回 建てる前必見 札幌「売却査定額に影響を与える性能評価の時代が到来」札幌本店

  • 奥林洋樹
2017.07.08

短期集中連載の第2回目である前回は売却を検討した際に考えるべき仲介業者選定について述べた。今回は査定価格に与える性能評価の影響について記載してみる。
生産部奥林短期連続でブログ更新いたします
前回のおさらいになるが仲介業者が中古住宅の査定を行う場合には取引事例比較法(近隣販売事例や現在の販売物件相場状況)を加味しながら、査定価格に影響を及ぼす要因(建築業者の社会的認知度等、いわゆるハウスメーカーか否か)を考慮し、査定マンの経験則に基づく主観要因の結果が査定額となる
多少、難しい話になるが経産省や国交省の想定するこれからの住宅未来図を説明しよう

インスペクションと言う言葉をご存知であるろうか?
2016年5月に国会で成立した宅地建物取引業法改正案に盛り込まれた項目で 、早ければ2018年から中古住宅取引の際にホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化されることになる




具体的には、媒介契約時、売買契約前の重要事項説明時などにおいて、建物がホームインスペクションを受けた履歴があるか、もしくは実施する意向はあるかを確認し説明責任を行う事が求められる
当面は実施が義務化されるわけではないのだが、これまでホームインスペクションという言葉、サービスそのものをご存じなかった方に対しても業者からの説明や問い合わせが行われる事になる。では、実際のホームインスペクション(住宅診断)はどのようなものか説明しよう  なぜ契約時の確認事項として盛り込まれるようになったのか、そしてそもそもなぜ中古住宅だけなのかを考える必要性がある
新築住宅の場合「建物品質に関する促進法」により構造耐力上主要な部分(柱、基礎など)や雨水の浸入を防止する部分(屋根や外壁など)について、10年間の保証が義務付けられる。


メーカーによって保障基準は異なるが、仕上げ材や設備機器などはそれぞれ1・2年程度の短期の保証がつく
イゼッチグループの場合には、外部設備機器全般(キッチンや当初から付いている食洗機/風呂/トイレ/給湯器)に対してメーカー保証2年も含め、トータル10年間の長期保証を外部保険会社利用により実現している。


新築住宅の場合は完成したばかりなのでいつ頃どの程度の修繕が必要なのかある程度の目安が付き、建築会社による保証内容の違いはあれ一定期間安心が出来ると言える
 中古住宅の場合は新築と異なり、築年数や外部環境要因等による経年変化が既に始まっており、物件ごと劣化の進み具合・維持管理状況が異なる。
そのため購入者が検討する建物がどんな状態なのか、あと何年くらい住めるのか、入居前に修繕が必要な箇所はあるのかというようなことを建物の専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)に診断を依頼し、正確な評価をおこなっている場合には購入者に取っての安心材料となり販売価格に影響を与える事は言うまでもない
また建築会社によるが、内部外部や設備機器等の長期保証が販売時点で継続している(購入者が保障権利を引き継ぐ事が出来る)場合には更にプラス評価となるだろう

ネームバリューだけでは太刀打ちできない、本物の時代が到来
中古住宅の情報紙等でキャッチコピーとしてよく使われている「○○ホーム施工の家!!」と言うフレーズは、他に判断基準が存在しない場合にはメーカーの規模、施工実績やネームバリューが、購入者に信頼を与える事を目的にしており、その建物自体の性能が証明されている訳では無い

第三者評価証の有無が一つのポイント
無論、一つの目安である事を否定はしない
個人的にはネームバリューに踊らされるだけでは無く、建物の断熱性能等に関する第三者評価機関(ZEHやBELS/札幌版次世代性能評価/長期優良住宅)等の証明書があればその有している性能が安心の目安となるうえに、長期の修繕履歴証明があれば安心感が増し売却価格に反映される




適切な時期に行われているメンテナンス履歴が資産価値を増大させる
特に人間でいうところの健康診断にあたる定期点検履歴と点検結果としての適切なメンテナンス履歴、リフォームによる設備機器交換実績等が明確であれば購入者も安心する事が出来るうえに、適切なメンテナンスは当然として住宅の耐用年数を引き上げる事が出来る事から、住んでいて快適な状態を長年維持する事が出来る
所有者自身で適切なメンテ時期を判断し、必要な処置を行う事は難しい
よく言われる悪徳リフォーム会社等は情報格差に漬け込み不安心理を煽り必要のない高額なリフォーム工事を行う。やはり信頼できる建築会社の定期点検を受け、状況説明を理解したうえで適切な工事を収受選択する必要がある
業界全体の怠慢とも言えるが、建築当初(契約時まで)は5年点検や10年点検を行うと説明を受けていたのに、時期が到来しても連絡がまったく入らないと言った話を良く聞く。長期的に情報管理を自社で行っている場合には、ヒューマンエラーや他の要因による連絡遅延も考えられるが、恒常的にその様な体質の会社も存在している様なので、口コミサイト等をご覧になり(あくまで目安として)新築建築時の判断材料にする必要もある
定期点検は第三者機関等とタイアップしてダブルやトリプルチエック体制を構築していたり、ネット等でご自宅の定期点検情報開示をサービスとして行ってくれる会社であれば尚、安心であると言える






     長期保障が約束され、売却時にも買い手に引き継げれば査定価格に反映される
ここまでは新築時の施主に対するサービスの様に見受けられるが、大半の会社は保障期間内であれば、保障契約内容
を中古住宅の購入者に対しても継続対応してくれる、但し、必ず売却時に保証引き継ぎ申請を行わなければならない。それを怠った場合には最悪、保障打ち切りになる事もあるので用心が必要である
新築で考えた場合、性能レベルと建築価格は切り離せない因果関係が成り立つ
建築時点で最高性能の部材を使用し、断熱気密性能が高く暖房給湯負荷が低く抑えられ、そのエネルギーを再生可能エネルギー自己消費で賄うことが出来れば結果的に普通の家との建築価格差は、建築価格により異なるが概ね10年以内に償却出来る事になる(それ以降は収支プラスとなる。何故なら、暖房給湯負荷に要する電気代等が自給自足出来る事から、支払わずに済む、つまり支払引き当て分の金額が利益換算できる)無論、同一性能の比較対象であれば建築価格が低いに越したことはない。今後住宅を新築する場合には、性能や保障内容を相対的に比較検討し、更に将来的にも中古市場において有利に展開出来る(資産価値が高い住宅)を吟味しなければならないのである


 


国交省主導によるインスペクションや経産省によるZEH義務化の目指すもの
性能の裏付けがある住宅(基本性能が一定以上の水準を満たす。ZEHであればUa値0.24[W/㎡k]を満たし、かつハイブリッド基準を満たした設備機器を採用する事により暖房給湯負荷も削減される)のみを新築する事にし、かつ中古住宅においてもインスペクションの裏付けのある住宅のみで市場形成される事により、引いては良好なストック産業が形成される事を目的としている
一見ばらばらに見える国交省と経産省のロードマップも、行き着く目的は一緒であると読む。古くなれば建て替えるとする“造る”思想から脱却し、高品質な建物を造り、適切な維持管理を行う事により長く快適に住むことが出来るストック市場の形成である
短期集中連載第3回は「ストック市場のロードマップから読み解く、新築時抑えるべきポイント」について記載したい






 


 

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