ブログ

「日本のエネルギー政策-エネルギー基本計画の見直し情勢学習講演会」と「インスペクション研修」に行ってきた札幌本社

  • 奥林洋樹
2018.04.18

4月7日 北海道大学学術交流会館で行われた「日本のエネルギー政策-エネルギー基本計画の見直し情勢学習講演会」と4月9日に開催された「インスペクション説明に関する宅地建物取引士の法的責任」に参加してまいりました。最先端の研究報告会の参加と、改正法における学びは我々の様な「お客様の財産形成の一端を業とする者」には欠かせない。

つい先日の事であるが以前、一緒に仕事を行っていた事のある某ハウスメーカーの支店長と偶然出会い、立ち話をしました。
歳は若いですが優秀で勉強熱心な好青年で「いつもブログを拝見しています。ただ、自分は多忙なためインプットする時間が少なく…」と言っておりました。
真面目にスタッフの為に時間を割き、日々頑張っているのでしょう。
若いうちには寝食を忘れ、業務に邁進する時期が必要です。
ただ我々の業界において知識拡充と、実践的行動は常に両輪として存在するべきであり、特にリーダーたるもの日々の研鑽を怠ってはなりません。

過去は変えることが出来ず、他人を変える事は困難を伴います。自分自身を成長させ未来を創る事は“自分自身の思い”一つで変える事が出来ます。
貴方の人生、主役は間違いなく貴方です。プライオリティを考えては如何でしょうか?老婆心ながら…

さて人生相談の様な前置きから始まったイゼッチハウス奥林ブログ更新です。

「日本のエネルギー政策-エネルギー基本計画の見直し情勢学習講演会」
講演内容は 「世界の自然エネルギーの現状と展望」 大林ミカ氏(自然エネルギー財団事業局長) 「電力システム改革貫徹と電源構成のあり方」 高橋洋氏(都留文科大学地域社会学科教授) 「経済から原発を考える」 大島堅一氏(龍谷大学政策学部教授) パネルトークでは 「どこに行く、日本のエネルギー政策」  大林ミカ氏・高橋洋氏・大島堅一氏、3名によるディスカッション、質疑が行われました。

旬な話題ではありますが、講演内容に「原発を考える」という題目があった時点で4月6日に新聞で大々的に掲載されたニセコ高における「エネルギー問題講演」における経産省資源エネルギー庁から北大工学大学院助教 山形定助氏が講演の予定した原発資料や講演内容に関与した問題が思い浮かびました(今回は、今の所そう言った話は聞き及んでおりませんが)
原発再稼働に関しての是非につきましてはブログ性質上コメントを差し控えます。
ただ、再稼働ありきとする国と電力会社の方針には納得出来かねます。
電気料金を引き下げる為には、原発再稼働により発電コストの高い石油火力発電稼働率を下げる事が有効とされています。

年度によって国の試算による発電コストは変動しますが、公表上では太陽光発電が1kWhあたり約30円、石油を使った火力発電が約30円以上と高い傾向にあり、天然ガスを使った火力発電は13.7円程度、石炭を使った火力発電は12.3円程度が目安であるとされています。原子力の発電コストは、10.1円程度と他の発電方法と比較しても遜色ない水準であるとされていますが、これは「実績」では無く「モデリング」である事は有識者の間で常識とされています。

発表される原発のコストは「発電原価」「社会的費用」に分けられたコストも加算されている全ての試算とされています。発電原価とは、発電施設の建設と運用に関わるコストのことで、具体的には施設の建設費、燃料費、運転維持費、また使用済みの核燃料を加工して再度燃料として利用する核燃料サイクル費や、廃炉措置をとった場合にかかるコストなどを含みます。また、2013年に定められた新規制基準にもとづく追加の安全対策費などもここに含んでいるとされています。

公表内容だけを見ると、確かに原子力発電(安全性の面を除いて)再稼働は電気料金引き下げ手段としては良いように見受けられます。
但し、この公表に対して角度を変えて見ると違った試算が必要となります。
原子力発電は電力の需給に応じて稼働量を減らすことができないため、発電量も減らすことができません。 そのため電力需要に関係なく電力を供給し続ける必要性が生じます。供給したくても需要が無ければどうにもならない為、夜間に発電した電力を昼に持ち越すために、夜間に作った電気で水を下から上に汲み上げ、昼間にその水を落としてタービンを回し発電を行っています。(揚水発電と呼ぶ)そのため、原子力発電のコストは、この揚水発電のコストを含めて計算すると1日の限られた時間しか稼働しないために1Kwあたりのコストが非常に高くなります。

政府試算でこの陽水発電は、原子力発電コストとして組み込まずに水力発電コストとしています。結果、試算上の発電コストにおいて水力発電は上昇し、原子力発電は下がる事になります。
「あくまで水力を利用してタービンを動かすのだから水力発電コストとしているのが何故悪い?」と言った反論が想定されますが、原子力発電の性質上必要とされるシステムを他の電力コストに振り替えるのは如何なものかと思います。
更に原発コストとして検討しなければならない劣化ウラン処理費等のバックエンド費用推計も非常に都合の良い解釈がされていることは念頭に置く必要があります。
意図的なのかどうかは定かではありませんが、海外でも疑問視されているこの原発発電コストの考え方は伏せられたまま基本試算が公表されています。
こういった疑問点についてセミナー等を開催しようとした場合に、経産省資源エネルギー庁から事前資料の提出を求める行為や、講師の選定見直しの圧力が掛けられたのが冒頭でも触れた北大工学大学院助教 山形定助氏のケースなのでしょうか。
正しく判断できる情報を正確に発信し、個々の判断を尊重するのが民主主義の鉄則かと思います。
洗脳とも揶揄されるような圧力の再発防止に努めて欲しいと強く思います。

今回の「日本のエネルギー政策-エネルギー基本計画の見直し情勢学習講演会」では、上記までの様な話を交えながらの話でした。


弁護士主催の「インスペクション研修」においては主に宅地建物取引士としてのクライアント説明時注意点について研修が行われました。
研修を受けての感想としては、真のインスペクションが日本に根付くのはまだまだ先であると言った事です。

中古住宅売買時に住宅現況調査有無の説明を義務付ける事により、仲介業者の説明を理解した売主が積極的にインスペクションを実施する事が増えてくる事は想定されますが、実施報告書はあくまで有資格者(インスペクター)による主に目視による検査であり、国交省の定めた報告書の内容はあまりにも単純で、かつ「あくまでも現況調査であり瑕疵について言及するものでは無く、かつその性能を保証するものでは無い」と言う、専門家による裏付けを求めると言う趣旨から考えると、穴だらけの内容となっている。
制度構築ありきとする体質は、いつもの事ではあるが疑問と矛盾点を払拭するに至らない。
必要な事だとは思う。だが、常に何かが欠けている。

無論、万人に受け入れられる制度改革等は存在しない事は理解している。
完全な制度が存在するとしても、単なる自己感情や利権で崩壊を企てるのが悲しいかな人間の本質である。
決断するのは個々。我々は企業としてクライアントが正しい判断を行うための情報を発信し、主観を交えず情報格差を軽減する為のアドバイスを的確に行う事こそが使命であると痛感する。

ご興味のある方は、お気軽に
お問い合わせください。

お電話からのお問い合わせ 011-780-1008