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北国の住宅変遷~高気密高断熱住宅はごく最近の変化北広島営業所

  • エコ・地球環境
2017.08.08

出典:アイヌ文化振興・研究推進機構

北海道に人類がいつから住んでいたのかは諸説あって定まっていません。
間違いないのはアイヌ民族が先住民族であったこと。
彼らがどこから来たのかは謎の部分が多く、いつからいたのかもよくわかっていません。
文字のない言語を使い、自然信仰とも呼べる文化を持っていました。
驚くべきことはいくつかあるのですが、氷点下20度を下回る厳寒地において、生活に耐えうる住居を作っていたという事実。
断熱材も快適な設備もない時代に経験から生まれてきた住文化。
「チセ」と呼ばれる住居がアイヌ民族の標準的な住宅でした。
断熱材もなく、笹と木の葉、木の枝で作られた住居。
最後に紹介しますが、暖かく過ごすための知恵にあふれたオーガニックハウスだったようです。


出典:北海道庁

やがて日本全国から北海道に入植してくることになります。
開拓するために様々な地域から人がやってきます。
地名にも「伊達」「広島」などどこから来た人たちが開拓した土地なのか、名残りが残っている地域もあります。
全国各地からやってきた、というところがミソ。
様々な地域の建築工法をそのまま北海道で建てたケースが多かった。
つまり寒冷地ではない住宅を厳寒地の環境に建てたケースがとても多かったことになります。
もちろんこの時代になっても断熱材はありませんし、石炭ストーブもほとんどなかった時代です。
暖房は薪(まき)を使い、囲炉裏が多く、まだまだストーブは普及していませんでした。
開拓から100~130年程度の地域が多く、1800年代後半のことになります。
まだまだ断熱材はありません。
寒い家だったんですね。

出典:スウェーデンに移住した36歳妻子持ちエンジニアのブログ

その当時の世界の住宅事情も紹介しておきます。
当時のスウェーデンでは、グラスウールに代わっておがくずを断熱材にする方法が確立していました。
壁の中に熱の通りづらいおがくずを充てんすることで、冬の寒さをしのぐ工夫がなされました。
断熱材の走りと言ってよいでしょう。
おがくずは江戸時代、生鮮食品を内陸に運ぶ時などは一般的に使われていました。
北海道で住宅の断熱材には使われることはありませんでしたが、着想されなかったことはしょうがなく残念としか言いようが有りません。


出典:絵葉書倶楽部


各都市に街並みができはじめ、急発展をしたのはご存じのとおり。
たぶん世界的に見てもこのような北方圏に100年程度で人口が500万人以上が住み着いた地域は例がないのでは?
街と街は道路でつながり、鉄道網もできました。
全道的に共通していたのですが、入植してきた人たちはそれぞれが故郷の工法で家を建てています。
欠点は共通しており、寒くてすぐに腐ってしまいます。
理由は通気性。
北海道は亜寒帯気候。
本州は温暖湿潤気候。
北方圏では寒さ対策が必要になりますし、温暖地域では暑さと湿気の対策が必要になります。
入植してきた人たちはそれぞれの故郷では当た値前の建物を作りました。
不幸にも北海道で建てられたのは暑さと湿気の対策が考えられた住宅。
寒くて暖房をつけると構造部に結露が生じ、あちこち腐ってしまい長持ちしない家。
そんな家が北海道全域で建てられることになります。



(断熱材の入っていない木造住宅)
出典:上ノ国町HP
(80年前頃だと思われますが断熱材はまだ開発されていません)


(40年前頃になり始めて断熱材は普及し始めます。文化住宅とか言われた時代の造成地風景)

なんと1990年代後半まで基本構造は変わらない住宅が建つ流れが続きます。
断熱材が入っているかはいっていないかの違いだけで、悲劇的に寿命の短い住宅を量産することになります。
建築業界は新築後15~20年でリフォームのお客様になってくれる環境を歓迎し、根本的な改善に積極的な業者は少なかったといえます。
入植後約100年間も、北方型の高気密高断熱の住宅について研究、改善することなく、消費者の資産価値の低い木造住宅が建てられていたという話です。




暑さと湿気対策の住宅にも少しふれておきます。
通気工法とも言えますが、究極は法隆寺の五重塔。
築1000年を超える木造建築物です。
釘を使わず、石、土、木材で作られています。
貫工法ともいわれる基礎石の上に、木組みで建てられた木造建築。
正倉院にも通ずるものですが、内部と外部が呼吸するかのように通気環境が確立しています。
その効果によって、木材は絶えず新鮮な空気と触れることになり、温度差による気流の発生で室内に空気が流れ続けます。
空気の流れは温度差を解消する室温環境を作り、その結果木材自体が良好な状態で維持され、湿気ることもなく、乾燥を維持します。
当然ながらその環境下ではカビなど生えることもないため、保存している食品にも良い環境といえます。
この工法は寒さだけではなく、火にも弱く、火災時には勢い良く燃え上がります。
構造内部に空気を送り込む構造になっています。
江戸時代は街ごと大火で丸焼けになることもありました。
水を掛けたくらいでは消火できないので、破砕消火するために、カケヤ(大きな木槌)で叩けば解体できる構造としても貫工法が一般的でした。
現代の人なら簡単に想像つくでしょうけれど、そういう住宅を北海道で建てた訳でして。
当然ながら寒くてどうしようもない。
アイヌのチセの方が暖かかった、という話があるほどなのです。




バブル時期の建物は最近になって「解体更地渡し」として販売されるのが見られるようになりました。
リフォームして売り出すには、あまりにも工事費がかかり過ぎる、というのがその理由です。
共通してまいっている箇所は「土台」。
基礎から上の木造部分を支える、最も重要な構造材。
これが腐ってしまっているので、改修費が掛かりすぎるので解体して売りに出すのは珍しくない物件なのです。


2000年頃に建てられた建物も以前よりはマシと言えても、まだまだ改良点が目立つ建物が多かったと言えます。
この時代に入ると光熱費のトラブルが見られるようになります。
集団訴訟を入居者から起こされて会社を廃業するビルダーまで出てきました。
ハウスメーカーも売れる時代には支店を出して北海道での受注を一生懸命取ろうとしました。
それらの中には思うような売り上げにならなくて、入居者がいるにもかかわらず本州に撤退する企業も出てきます。
多くは北海道の地域風土に適した住宅を作れないことからトラブルが始まっています。
実は今もそういう建物は一部の業者によって販売はされていますが、消費者がそれに気づくのは20年以上経ってから。
業者も消費者もそれに気づかずに契約している様子は喜劇としか言いようがありません。
心のどこかで「北海道の建物はそんなものだ」と考えているようにも見えます。
なかなか根本的な改善がされないため、消費者にとって大事なことなのに事実を理解している人は少ないといえます。




福田内閣の時代に200年住宅構想が打ち立てられて、住宅を消費財とする考え方を正そうとする動きがでます。
結論から言うとすぐに立ち消えになってしまったのですが、建てては壊しを繰り返す住宅産業に問題を感じる政治家もいたのが救いですね。
そのころになってやっと「土台の腐食防止」という観点で、木造建築の仕様について公的な評価が統一されてきました。
長期優良住宅などの基準ができて、超長期耐久する住宅の基準ができたのは間違えなく前進といえます。




住宅の品質の話をしますと、断熱性能の高い住宅はデザイン性を高めるのが難しく。
デザイン性を優先すると、将来通用する性能を確保した断熱性気密性は両立するのは難しい。
そういう傾向は実際にあります。
予算をいくらでもかけられる物件ならいざ知らず、多くの消費者は「予算いくら以内で」と希望されます。
その予算の中で両立できる事例はほぼない、と言ってもよいでしょう。
この10年はハウスデザインで売る戦略の会社が多いことからも、過去にないほど住宅デザインが良くなった時代ともいえます。
もちろん、家はデザインだけはなく、性能、耐久性、耐震性、住み心地など安心や気持ち良さに係る性能が大事です。
意外と入居して一回目の冬にいろんなトラブルが発生しているという話も聞きます。
やはり寒冷地なので最低限の性能はキープしていてほしいものです。




そしてここ1~2年ZEH=ゼロエネルギーハウスが出てきました。
北海道ではそれを成立させるのが難しいと考えられてきましたが、イゼッチハウスの前駆体である大洋建設では「うちの建物にソーラーパネルを乗せたらいけるんじゃない?」と考え、検証の結果「2年間の光熱費保証」をつけて販売することになりました。
今の所北海道でそんなことを始めたのは当社だけなので北海道初といえます。
全国的にはZEH化の動きは早く、北海道だけ浦島太郎状態で時代遅れの家づくりの感があります。
実際には世界的な動きの中で二酸化炭素削減の対策は待ったなし状態です。
日本の二酸化炭素排出量で住宅は14%を占めており削減は必須になっています。
自分の好きなように建てられたのは過去の話で、これからは勝手が許されず、国の背策に従った基準の中で作らざるを得ない時代に入ります。
それが2030年。
もう目と鼻の先の話です。


光熱費にかかる分はソーラーパネルが発電してくれて
将来住宅の性能基準が変わっても通用する品質を持ち
65才を定年と仮定して、その年にちゃんと貯金が確保されており老後も安心できる。
これからはあなたの暮らしを経済的にお手伝いできる住宅を求めてみてください。
そんな家づくりが提案できる会社は少ないと思いますが。
私達イゼッチハウス北海道では未来を語れる家づくりを提案しています。

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